マチヘイスケ@アートブロガーの納屋のような場所

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2021年のアート系:読書レビューの備忘録

アートブロガーの町平亮(マチヘイスケ)です。

このページでは2021年に読んだアート系の書籍の読書感想文をまとめています。ブクログの本棚で書いているレビューです。

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今年1年どんな本を読んで、どんなことを思ったのかを後々になってずらっと見返したくて始めました。月1回はアップするのが目標です。

 

 1、『昭和モダン建築巡礼(西日本編)』

文:磯達雄 / イラスト:宮沢洋

出版社:日経アーキテクチュア編(2006年10月30日発行)

〈レビュー/2021年1月26日付〉

文章、イラスト、写真で構成されている本です。
ページを開くと左側にイラストや写真が、右側に文章が配置されています。
全体的に余白が多く、キッチキチした感じがなく目に優しいです。
文章は建築物の様式とか構造とか専門的なことばかりでなく、建築家の人柄やその土地のこぼれ話などもあり、決して建築の玄人向けの内容になっていないのも良いです。
地元(島根県)の美術館で菊竹清訓氏の展覧会が開催されることを知り事前に勉強しておこうと、図書館で借りてきて読みました。
本書で菊竹氏の建築としては、「都城市民会館(宮崎県)」と「東光園(鳥取県)」が紹介されています。
巻末には本書の執筆者である磯達雄氏と橋爪伸也氏(大阪市立大学都市研究プラザ教授※2006/10/30発行時)の対談が掲載されています。菊竹氏も関わっていたメタボリズム建築運動のことも話題にのぼり、これからの建築の見方や楽しみ方の参考になりました。
 

  2、『西日本のうつわと食をめぐる、手仕事旅行』
出版社:京阪神エルマガ
〈レビュー/2021年1月13日付〉

日本伝統工芸展をきっかけに工芸品に興味を持つようになり見つけた本です。内容は陶芸や焼き物のその窯元や販売店、それらと地域の食とをつなげたお薦めの旅を紹介する本です。はじめのページから引用させてもらうと、「手仕事の現場はもちろんのこと、郷土の味や好きな場所までを1泊2日のツアー仕立てでご紹介する」とのこと。器は誰もが日々の暮らしの中で使う工芸品、と言うか生活雑貨と呼べるものです。用の美を意識する入り口としては最適ではないかと思いました。
さて、本書では岡山県倉敷、鳥取県島根県兵庫県篠山、信楽・伊賀の5つの地域が取り上げられています。私のホームグラウンドは島根県ですが、この本では3つの窯元が紹介されています。しかし、島根県には「ふるさと伝統工芸品」という制度があって、ここでは15の窯元・焼き物があげられています。
掲載されている写真も豊富でキレイだなあ、かわいいなあと思うだけではなく、しっかりと硬め説明もあります。それが良い意味で書き過ぎていない解説なので、知らない言葉が出てくると調べてみたくもなります。1泊2日と言わずに自分なりの旅行計画を立てたくなる本です。

 

次回に続く。